NTTは、2029年3月31日をもって「専用線サービス」の提供を終了すると発表しました。
浄水場・配水池・ダム・観測所など、多くの自治体やインフラ施設は専用線を使用した監視通信に依存しているため、代替手段の選定が急務です。
特に、山間部・離島・災害時の通信確保 は大きな課題となっており、地上回線に依存しない通信手段への関心が高まっています。
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専用線サービスの主な代替回線
専用線終了後の代替手段として、現在もっとも利用されるのは 光回線・LTE(携帯通信)・衛星通信 の3つです。
それぞれの特徴と注意点を比較します。
光回線
光ファイバーケーブルを使用して、光の信号でデータを高速に送受信するインターネット回線
メリット
- 通信速度が高速かつ低遅延
- データ量が多くても処理しやすい
デメリット
- 提供エリア外の場合、多大な回線敷設コストがかかる
- 災害時には回線が破断・輻輳する可能性がある
- 山間部・離島では導入が困難
LTE(携帯通信回線)
Long Term Evolution(ロングタームエボリューション) の略称で、携帯電話キャリアが提供する通信を利用する方式
メリット
- 通信速度が高速
- 設置工事が不要で短期間で導入できる
デメリット
- 災害時には回線が破断・輻輳する可能性がある
- 山間部では電波が届かない場合が多い
衛星通信
静止衛星を利用するため地上インフラに依存しない通信手段として注目されています。
メリット
- 光回線やLTEが提供エリア外でもアンテナを設置すれば通信できる
- 耐災害性が高いためバックアップ回線としても有効
デメリット
- 光回線やLTEに比べると通信速度が低い
衛星ブロードバンドについて
衛星ブロードバンドとは、通信衛星を利用して高速インターネット接続を提供する技術です。
通信を行いたい拠点にアンテナを設置し、人工衛星との通信を行いつつ人工衛星とゲートウェイとも通信を行います。
地上のケーブルを使用しないため、地上が被災してもインターネットが使用できます。
光回線やLTEは都市部では普及していますが、地方や山間部ではサービス提供エリア外となることも多く、通信の確保が困難です。
- 山間部の配水池
- 遠隔地の観測所
- 災害リスクの高い地域
- 光回線未整備エリア
このような場所でも安定した通信を確保できるため、専用線終了後の有力候補 として期待されています。
衛星ブロードバンド「PLANET-BB」の特徴
「PLANET-BB」は、TD衛星通信システムが提供する水道施設やインフラ監視向けに最適化された衛星ブロードバンドサービスです。
IPテレメータなどの通信機器にも対応しており、専用線終了後の有力な選択肢として多くの自治体・事業者で導入されています。
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- 衛星ブロードバンドサービス PLANET-BB
PLANET-BBの強み
- ① 全国どこでも通信可能
- 光回線やLTEが届かない山間部・離島でも、アンテナ設置だけで通信環境を構築できます。
浄水場・配水池・監視所など離れた施設間の通信に最適です。 - ② IPテレメータなどのメーカーを問わず利用可能
- IP通信が可能な機器であれば、基本的に接続可能です。
- 弊社のTDSC Labなどでの動作確認をおすすめしております。
- ③ 豊富なサービスプラン
- IPテレメータなどの接続機器に合わせた様々なサービスプランを用意しております。
ベストエフォート型のみではなく帯域保証型もご提供可能ですので、通信速度の低下を心配することなく、安定したデータ通信をご利用いただけます。 - ④ セキュリティ対策も提供
- 一般的なインターネット接続では、不特定多数の利用者と同一の通信環境を共有するため、サイバー攻撃などのセキュリティリスクが懸念されます。
弊社では、- VPN(仮想専用線) による暗号化通信
- 閉域網接続 によるインターネット非経由の安全な通信
- 拠点間通信による安全なネットワーク構築
まとめ 専用線終了後の最適な通信環境構築
2029年の専用線終了に備えて、安定性とエリアを重視した通信手段が求められています。
- 光回線:高速だがエリア問題・災害に弱い
- LTE:導入しやすいが山間部・災害時が課題
- 衛星通信:地上インフラに依存せず、全国どこでも通信可能
特に、水道事業・インフラ監視・遠隔制御など、「確実につながること」が最重要な通信 では「PLANET-BB」が効果的です。
NTT専用線終了に向けた代替手段の検討伴い、地上回線がエリア外となる地域や、災害対策として安定した通信手段を必要とするお客様はぜひ一度ご相談ください。