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必見!災害拠点病院でのバックアップ回線活用法

今インターネットがどんなことにも必要になった世の中。有事にこそ、災害拠点病院では通信インフラの維持が求められます。
ここでは、実際の事例も交えながら、災害時におけるバックアップ回線の活用法をご紹介します。

有事におけるバックアップ回線の必要性

実際の有事において、災害拠点病院がバックアップ回線を活用する状況を想定します。
普段使用している光回線が電柱の倒壊などにより使用不可な状態に陥った場合、主要な院内のネットワークが機能しません。また、電話回線の断による固定電話の不通、基地局の倒壊によるモバイル回線(4Gや5Gなど)の障害も考えられます。
そのような状況の場合、自治体の対策本部や避難所、災害拠点病院同士などの連絡が取れなくなる他、EMISの使用不可、純粋なインターネット利用もできなくなる(=情報収集不可)などの影響があります。

その為、災害時のあらゆる通信インフラの通信断を想定し、災害拠点病院がバックアップのインターネット回線を用意する必要があるといえます。

災害時でも使えるインターネット-衛星ブロードバンド

次に、災害時でも使えるインターネット回線としての衛星ブロードバンドをご紹介します。

衛星ブロードバンドの特徴は、利用する拠点のアンテナと地上局(ゲートウェイ)が使用可能な状況であれば、インターネットに接続することができることにあります。
静止軌道衛星を用いた衛星ブロードバンドの場合、地上から約36,000km離れた人工衛星と地上のアンテナで通信を行います。必ず同じ方向に人工衛星があるため、アンテナの方向は固定され、常に同じ人工衛星と接続します。人工衛星は地上にあるゲートウェイと常に通信を行い、インターネットに接続します。つまり、間に他回線を介することなくインターネットに接続できるという特徴を有しています。
その為、地震などによる既存回線の通信断があっても、アンテナさえ無事であれば人工衛星と疎通しインターネットを問題なく利用することが可能です。

この特徴を生かし、企業のBCP対策や自治体の防災などで衛星ブロードバンドがバックアップ回線に選ばれています。
また、衛星ブロードバンドサービスPLANET-BBでは『衛星IP通話サービス』を用いることで050を使用した固定電話が使用可能になります。

衛星ブロードバンドを院内ネットワークにどう組み込むか

では、実際に院内ネットワークや災害時の実際の行動にどう組み込んでいくのでしょうか。

衛星ブロードバンドは、普段から利用するインターネット回線には適していません。例えば、弊社のPLANET-BBサービスのBCPプランでは、高速時で『下り5Mbps/上り2Mbps』という速度に設定されています。通常光回線では数十~数百Mbps出ることを考慮すると、低速であるといわざるを得ません(これは、地上から約36,000kmという長距離を通信するためです)。
その為、普段は光回線などの既存回線をお使いいただき、非常時には衛星ブロードバンドに切り替えるという運用が必要になります。

具体的には、

  1. 専用のアクセスポイントを設置し、非常用とする
  2. 普段使用するものと別に、非常用の情報コンセントを設置する

などの方法が考えられます。実際の導入事例を交えながらご紹介します。

1. 専用のアクセスポイントを設置し、非常用とする

過去ご導入いただいた事例では、屋上などに設置した衛星ブロードバンドのアンテナから、EPSを通しモデムを設置。EPS室内に置かれたモデムからLANケーブルを配線し、有事に災害対策室となる部屋にアクセスポイント(Wi-Fi)を置くことでバックアップ回線とします。
実際の有事や訓練では、衛星ブロードバンド用のアクセスポイントに設定したSSID(Wi-Fi)の名前を事前に『有事のバックアップ回線用』として通達し、普段使用する院内ネットワークからそちらに接続を切り替えることで院内の通信インフラを維持します。

こちらのメリットは、有事用のSSIDを通達、及びパスワードを知っている人員を限ることで、回線の細い衛星ブロードバンドの輻輳(ネットの混雑)を避けることができます。

2. 普段使用するものと別に、非常用の情報コンセントを設置する

こちらの事例では、EPS室内にモデムを設置し、そこからLANケーブルを配線するところまでは同じですが、災害対策室となる部屋に情報コンセントという形で設置します。
LANケーブルを差し込むだけでインターネットに接続できる情報コンセントであれば視覚的にわかりやすく、有事でも簡単に取り扱うことができます。
通常回線用の情報コンセントの色とバックアップ回線の色を別にすることで、『非常時には○○色に接続する!』というシンプルな通達で院内ネットワークを維持することができます。

まとめ

ここでは、災害拠点病院におけるバックアップ回線の必要性と活用法をご紹介しました。
インターネットがなければ何もできないといわれる世の中で、有事にこそ災害拠点病院には通信インフラの維持が求められます。
電柱などの倒壊によって破断の可能性がある光回線やモバイル回線だけでなく、有事の回線として使用される衛星ブロードバンドを用意することで、通信インフラをバックアップすることができます。
また、アクセスポイントや情報コンセントの設置方法を工夫することで有事の院内ネットワークの維持を効率的に行うことができます。

ぜひ、この機会に院内ネットワークが有事にも使える体制になっているかご確認いただき、バックアップ回線の導入をご検討いただければ幸いです。

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